2018年7月17日
参議院合区の現職救済を目的とした
6増法案の採決強行を糾弾する(談話)
社会民主党幹事長 吉川はじめ
1.本日、与党は、衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会で、参院合区の現職救済を目的とした公職選挙法の一部を改正する法律案の採決を強行した。議会制民主主義の土俵である選挙制度について、数の力で強引に押し切ることは断じて認められない。野党は、平沢勝栄特別委員長の不信任動議を提出して闘ったが、与党などによって否決された。社民党は今回の与党の横暴な姿勢を強く糾弾するとともに、法案の本会議への上程を許さず、最後まで闘い抜く。
2.2015年の改正公選法の附則で「次回参院選に向け抜本的見直しに必ず結論を得る」とされ、参議院制度改革協議会の下に選挙制度に関する専門委員会が設けられ17回の真摯な議論を重ねてきた。しかし自民党は、「合区解消のための憲法改正」に固執し専門委員会に何ら具体案を提示することなく、改革協に突如として今回の法案の考え方を提示し法案提出を強行した。この間の自民党の姿勢は、きわめて無責任であり、改正案の中身以前に、各党・各会派の合意が前提である選挙制度改革の議論を破壊する暴挙であると断じざるを得ない。
3.自民党案は、参院埼玉選挙区の定数を2増、比例代表の定数を4増するとともに、比例代表選出議員に「特定枠」を設けることができるとしている。合区となった「鳥取・島根」、「徳島・高知」の候補者調整であぶれる現職議員を救済する意図が露骨だ。まさに党利党略のご都合主義であり、自民党による選挙制度の「私物化」にほかならない。そもそも合区自体前回自民党が強引に導入したものであるし、非拘束名簿式も2000年に自民党などが野党の反対を押し切って導入した経緯がある。1票の格差を是正する抜本的な制度改正に取り組むのが筋であり、「必ず結論を得る」とした公選法の附則の努力を怠る度重なる党利党略は断じて許されない。
4.社民党は、比例代表区と選挙区の二本立てを維持しつつ、最高裁が、一票の較差是正のためには「単に一部の選挙区の定数を増減するにとどまらず、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど…現行の選挙制度の仕組み自体の見直し」に言及していること及び憲法43条が国会議員は「全国民を代表する」と規定していることを踏まえ、現在の都道府県単位の選挙区を11ブロックに広げ、定数配分は人口及び都道府県数を最大限尊重して2倍未満に改正する努力を行うべきだとする案を提起している。今回の自民党提出法案は廃案とし、参議院制度改革協議会で各党各会派の合意を見いだすことができるよう最後まで努力すべきである。
以上