戦争をさせないヒロシマ集会
「戦争をさせないヒロシマ集会」での大江健三郎さんの講演に1,100名の参加者!
10月4日(土)、午後2時から広島文化学園HBGホール(旧厚生年金会館)で、「戦争をさせないヒロシマ集会」(戦争をさせないヒロシマ1000人委員会主催)が開かれ、東京より作家の大江健三郎さんを招いて講演をしていただきました。
当日は広島県各地からも多くの参加があり、1100名を超えました。

開会のあいさつをする山田延廣弁護士
主なプログラム
オープニング(歌と踊り) 広島朝鮮初中高級学校/舞踊部・コーラス部 演奏
司会挨拶
講演スピーチ
集会アピール
閉会あいさつ

一緒に真面目に考え行動しようと訴える大江健三郎さん
≪大江健三郎さんのスピーチの概要≫
集団的自衛権の行使容認を閣議決定した安倍政権が危険な方向へ舵を取っていることを批判。
続いて、現在の大江さんの思想に少なからずも影響を及ぼした思い出深い人として、若い頃広島で取材をした広島原爆病院(現広島赤十字・原爆病院)の故重藤
文雄院長を紹介されました。
とても忙しい方で、昼食時間内での取材でしたが、別に来ていた官僚が質問をしました。(まだ当時は被爆者の支援などの法律が定められてなく医者に色々と質問をして参考にするため)
「先生は、患者さんの訴えに一人ひとり丁寧に答えているが、本当に根拠があって答えてるのですか? もし、根拠もないんだったら、少し無責任ではありませんか?」という質問だった。
それまでニコニコしていた先生の表情が一瞬厳しくなったように思えたそうです。先生は、「原爆が人間に対して行われたことは、今までの歴史上ない事だ。それこそ最大の暴力なんだ。誰も医学的な対処方法なんて持ち合わせていない(かって経験したこともないのだから、参考文献もない)。しかし、その犠牲になった人がこうして訴えている事に耳を傾けないでどうするのか。それは、原爆とは関係ないと結論づけなんか出来ない。肉体的・精神的にもどんな症状をもたらすのか想像できない。だからこそ、症状を訴える言葉を丁寧に聞き対処方法を考えることこそ今後のためにも重要なんだ。」と話されました。
また、夏目漱石の「こころ」という作品にも触れ、今のこの時代に「真面目に考える」ことの重要さを述べられました。
最後に強調されたのは「これまでの歴史の中で、私たちは倫理的にモラルを作ってきた。そのモラルの本質的なことは明日、次世代が生きていけない環境や社会、世界にしてはならないということ。次の世界に子供たちが生きていける社会にするために真面目に考えていくことです。だからこそ、原発の再稼働はあってはならないし、集団的自衛権も行使させてはならないのです。一緒に真面目に考え、行動しましょう!」と呼びかけられました。

熱心に大江先生の話を聴く参加者