『12.8不戦の誓いヒロシマ集会』 (2021/12/08)
12月8日(水)午後6時から広島弁護士会館 3Fホールにて「12.8不戦の誓いヒロシマ集会」(主催:憲法を守る広島県民会議、広島県平和運動センター、広島県原水禁、8の日平和行動ヒロシマ女の会、戦争をさせないヒロシマ1000人委員会)が開催され、コロナ対策を施した会場に83名の参加がありました。

主催者あいさつのあと、「12.8開戦から80年 ー教え子を戦場へ送らないためにー」と題して石岡 修(現広島平和教育研究所所長、元広島県教職員組合執行委員長)さんより講演がありました。

講演は主に4つの柱を立てて話されました。
概略は以下のとおり
1.抵抗とたたかいの中で生まれた平和教育
戦争がもたらした悲惨な現状、教育者の自戒の念
GHQによるプレスコード(報道規制:1945.9〜1952.4)の中での抵抗
教え子を再び戦場へ送るな!(広教組大会での『平和声明』1950.3)【原爆の子】出版・映画化(1951.10)
2.被爆教職員が築きあげた平和教育
広島県原爆被爆教職員の会設立、1969.3
広島平和教育研究所設立 1972.6
3.右傾化とのたたかい
河野談話で政府が慰安所設置への「軍の関与・強制性」を認める(1993)
検定に合格した中学校社会科教科書すべてに「従軍慰安婦」の記載(1996)
記載削除を求める地方議会が全国的に活発化されるなか、
「新しい歴史教科書をつくる会」「日本会議」が結成される(1996〜1997)
「関釜裁判」で下関地裁が河野談話を根拠に原告慰安婦に勝訴判決(1998.4)
「上記のつくる会」が「新しい歴史教科書・公民教科書」を文部省へ申請(2000)
反動的な介入に対し「教科書が語る20世紀展」を県内4会場で開催、3000人来場(2001.1)
「関釜裁判」で広島高裁が下関地裁判決を破棄し原告慰安婦の訴えを全面棄却(2001.3)
4.平和の危機をどうのり越えるか
かっての冷戦体制はないものの、民族紛争や権益を狙う争いは絶えない
現在直面している平和の危機
・パクスアメリカーナ(アメリカによる平和)の押しつけ
9.11アメリカ同時多発テロ(2001.9)
アフガニスタンへの空爆(2001.10)
★正義の(民主主義を守る)戦争・・アメリカが平和をつくる
・途上国を中心に増え続ける紛争や武力衝突
・経済のグローバル化がもたらす深刻な格差
・紛争や武力衝突の中で高まる核兵器使用の危険性
※アメリカによるアフガニスタンへの報復空爆が開始された翌月の2001年11月に、米国ボーリング・グリーン州立大学で「原爆展」を開催。
ひるまず訴え続ける事の重要性
最後に、先月他界された故坪井 直さんの言葉を引用され講演を閉められました。
「前略・・私たちは真実をえぐらなければなりません。核廃絶はもちろん、軍備拡張に反対せざるをえません。軍事力によって国を守り国民を守ることは不可能です。軍事力による束の間の均衡状態を平和だと勘違いしてはなりません。真の平和を真剣に求めていきたいものです。
中略・・・
平和や人権の問題は、あるいは高次元的なもの深淵なものかも知れません。それだけに理解者を得る事が困難です。ましてや具体的な揺り動かしは至難の業に違いありません。たとえそうであっても、私たちは仲間をつくり、粘り強く闘い続けなければなりません。感情的な強力(ごうりき)からの平和は崩れやすく、冷静な人間の英知から真の平和が保持されます。
(「続 未来を語り続けて」坪井 直さんの文章より抜粋)
12・8不戦の誓いヒロシマ集会アピール